子育て |「経験」を大切にする4つの理由

水中に潜る子ども

子ども時代にたくさんの「経験」をする。
子育てにおいて、もっとも大切にしていることです。

主な理由は4つ。

  • 人生の「選択肢」が増える
  • 自分にも他人にもやさしくなれる
  • 偏った思考にならず、ちょうどいいバランス感覚が身につく
  • 若いうちは失敗さえも自信につながる

エピソードを紹介しながら説明しますね。

元AC: kaho

管理人のkahoです。今はすっかり回復しましたが、元アダルトチルドレン(AC)です。元ACの保育士だからこその子育てを紹介しています。
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子育てにおいて「経験」を大切にする理由

人生の「選択肢」が増える・自分にも他人にもやさしくなれる

いろいろな『経験』をすることで、視野が広がります。
Aという選択もいいけど、Bもいいかな。
AもBもいいと思ってたけど、あの子のCという考えもすてきだな。

そうやって、子どもの頃からさまざまな考え・姿に触れることで、人生の「選択肢」が増えていきます。
人生というと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれません。
日常生活における選択肢と言いかえてもいいです。

生活するうえで「選択肢」はたくさんある方がいいと思います。
理由は、「絶対に○○じゃないと!」と思いつめるより、「これがベストだけど、あっちでもOK」くらいの方が生きやすいし、楽しいからです。

そう感じるのは、母と自分の選択肢がいつも限られていたからです。
毎日が息苦しく、切羽つまった感じがしました。
過去を悔やみ、必要以上に将来を心配し、今この瞬間を失っていました。
あの頃のわたしは、自分にも他人にもとても厳しく、生きづらさを抱えていました。

選択肢を増やしていくと、人との距離も近くなります。
自分とちがう考えの人を拒絶するのではなく、おもしろいなと興味がわいたり。
興味がわかないまでも、そんな考えもありかなぁと寛容になります。

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偏った思考にならず、ちょうどいいバランス感覚が身につく

経験から学ぶことは無限にあります。
あのとき、肩に力が入り過ぎてたな。でも、今回は逆に気を抜きすぎちゃった。
あのとき、人の意見に左右されすぎちゃったかも。でも、今回はもっと人の意見に耳を傾ければよかったかな。

成功と失敗をたくさん経験する。
そうやって、「ちょうどいいバランス感覚」を身につけていくのです。

白か黒かという偏った思考ではなく、敢えて中庸のグレーを選ぶという「バランス感覚」。
子どもたちには、グレーという選択肢があることを知っていてほしいのです。

そう思うようになった背景には、自分の生い立ちがあります。
母はすべてにおいて極端でした。
100か0の精神で、常に完璧を目指しました。
どんなによいことでも度を過ぎれば毒になり得ます。

たとえば、母は健康志向がつよい人でした。
家族の健康に配慮してくれたことに感謝の気持ちもあります。
しかし、融通がきかず徹底しすぎてしまうのです。

母とペンションに泊まったときのこと。
おしゃれなお皿にきれいに盛り付けられた、ごく少量のわらび。
母はわらびの発ガン性を指摘し、わたしに食べないよう言いました。

初めての食材に、わたしは興味津々でした。
けれど、あきらめました。
食べたときの母の反応が、手に取るように予測できたからです。

母にとって、わらびを食べさせない選択は「白」、食べさせる選択は「黒」です。
もし、「グレー」という選択肢があれば……。

初めてのわらびを楽しむ機会を大切にし、食事後に、さりげなく発ガン性を教えてあげればいいのです。

そうすれば、夕食は楽しい思い出になり、母の知識を尊敬する機会にもなったでしょう。

「ちょうどいいバランス感覚」 がないために、20歳を過ぎた娘の意思を尊重できなくなってしまうのです。

ちょうどいいバランス感覚 が大切であり、 どんなによいことでも度を過ぎれば毒になり得ますとは言いましたが……。

時と場合によっては、とくに若者においては、「絶対に○○に合格するんだ」「○○の仕事につきたい」という他の選択肢を許さない気持ちも必要だと思います。

わたし自身、保育士への転職を決めたとき、「一発で合格するんだ」という強い思いがありました。
だからこそ、3か月の独学で合格できたのだと思います。

でも、そんな必死なときでも、「バランス感覚」をもち、中庸のグレーという選択肢が存在することを頭の片隅に置いてほしいのです。

それは、怠けることではありません。
心にほんの少しのゆとりを許してあげることです。

そして、その方がいい結果が出るものなのです。

子どもたちがなにかにのめり込みすぎていると感じたとき、その姿は認めつつ、視野が狭くなりすぎないよう声をかけます。

けれど、最近は子どもたちに声をかけられることも……(笑)。
「お母さん、バランス忘れてるよ」

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若いうちは失敗さえも自信につながる

「いまのうちにたくさん失敗しておくといいよ。
若いうちの失敗は、得るものばかりで失うものはないからね」

子どもによくかける言葉です。

成功体験はもちろん自信になります。
でも、若いうちは失敗さえも自信につながります。
成功よりも失敗から学ぶことの方が多いからです。

そのことを実感した子どもたち。
多少気が進まないことでも前向きにチャレンジするようになりました。

もちろん、前提として、失敗したときはしっかりフォローしてもらえるという子ども側の安心感は不可欠です。

小学6年生のとき、次女がある習いごとに興味をもちました。
インターネットで自ら教室を探し出した次女は、体験の申し込みをしたいと言います。

自分で電話するよう伝えたところ、
「えー、そういうと思った。嫌だけど、経験だと思ってやるか」との返事。

緊張しながらもしぶしぶ電話し、
「こんにちは。えーと体験を申込みたいんですけど。
よくわからないので、お母さんにかわります」

すぐにわたしに受話器を差し出す姿に、思わず笑ってしまいました。
「受付の人にも笑われた。恥ずかしかったぁ」と本人も笑っていました。

親が申し込みをすれば簡単にすむ話ですが、敢えて子どもに経験させる。
ほんの数分のできごとで、次女には3つのいいことがありました。

  • 受付の人に親しみをもった
    (体験に行ったとき、「電話で話した人だ」とうれしそうでした)
  • 自分で申し込むことができたと自信につながった
  • 自分で申し込んだことで、習いごとに対して、より積極的な気持ちになった

「失敗も大切な経験の1つ」と知っていれば、結果にとらわれて苦しんだり、勇気が出なくて挑戦せずにあきらめたりということも少なくなります。

失敗しないということは、つまり、大切な経験もしていないということですね。

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「経験」を子どもに無理強いしない理由

「経験」を大切にするのは我が家の方針ですが、無理強いしないよう心がけています。
そのかわり、やってみたいと思えるよう働きかけます。

そのうえで、親の期待に応える必要はないと伝えます
そこまで意識を払うのは、たとえ無理強いされなくても、子どもは親の期待を察し、その期待に応えてしまうこと知っているからです。
夫婦仲がわるい場合、その傾向はより顕著です。

わたし自身がそうでした。
自分の気持ちを優先できず、過剰に親の期待に応える。
それはとても残酷で危険なことです。

そのような子育ては、一見うまくいっているように見えることがあるので厄介です。
しかし、子どもの我慢はいつか限界に達します。
親が気づいたときには、取り返しのつかないほど、親子関係はこじれ、子どもの心は病んでいます。

2パターンの健全に機能しない家族(「機能不全家族」という)を例に挙げます。

親の言うことは絶対という家庭

誠実な説明なく、一貫性もなく、親の言うことに服従させる。
正しさばかり優先し、子どもの気持ちを軽視する。

このような家庭では、子どもが思春期になるまでは、一見うまくいっているように見えるかもしれません。

わたしの姉は、家でも学校でも優等生でしたが、反抗期を境に家では激しく母と衝突するようになりました。
そして、20代で親と絶縁しました。

親はいつか年老い、力関係は必ず逆転します。
子どもに放った言葉は、将来、そっくりそのまま自分にかえってきます。

日本では親孝行は美徳であり、親を粗末に扱うような子どもは後ろ指をさされますよね。
でも、「親を捨てたい」と思いつめる人の気持ちが、わたしには痛いほどわかります。

健全に育っていれば、「親を捨てたい」 とは思わないものです。
仲のいい親子を見るたび胸が痛む。
過去のトラウマが新しい家庭にも悪影響を及ぼす。

健全に育った人には、想像しがたい苦しみです。

「不幸そうな親」を子どもが気づかう家庭

親が強固な態度を示さなくても、子どもが親を気づかって、自ら親の過剰な期待に過剰に応えようとする場合があります
夫婦仲がわるい場合、子どもが親(とくに母親)を気づかう傾向がつよく、要注意です。

わたしが育った家庭は、幼少期は「 親の言うことは絶対という家庭 」でした。
夫婦仲がわるくなってからは、こちらのパターンになり、わたしは母にとって「いい子」になりました。

子どもが青年期を迎えるころ、子どもの問題が現れはじめるでしょう。
自分の気持ちを抑圧し、親の期待どおりの人生を生きてきた苦しみは限界を迎えます。

「やさしい子」と自分を気づかう子どもを自慢に思い、子どもの苦しみにまったく気づいていなかった親はこう言うでしょう。

「あんなに素直ないい子だったのに」
「突然、人が変わってしまったよう」

実際にわたしの母が、わたしに向かって言った言葉です。

突然ではないのです。
わたしの交友関係を見れば、学校の先生の話のなかに、わずかなサインはあったのです。
母はいつでも自分のことで手一杯で、わたしのサインに気づかなかっただけなのです。

元AC: kaho

子どもを自分の人生の支えにする。
その代償は、とてつもなく大きいです。

日本特有の機能不全家族のことなら、臨床心理士の信田さよ子さんです。

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反省 | 子どもキャンプは無理強いだった!?

前の章で偉そうなことを言いましたが 、我が家に「無理強い疑惑」が浮上してしまいました……。

つい今しがたの長女とのやりとり(↓)。

元AC: kaho

お母さんたち、経験を無理強いしないようにしてきたつもりなんだけど、実際はどうだった?

長女

まぁ、そう思うよ。
あー、でも、「サマーキャンプ 」のときは、半ば強制だった気はするけどね。

元AC: kaho

!?

子どもが小学生のとき、「子どもだけで参加するサマーキャンプ」に数回参加しました。

人見知の長女は、確かに最初は参加をしぶっていました。
そこで、自然のなかで人と触れあう楽しさイメージできるような写真を見せたり。
一日の行程をわかりやすく説明したり。

最終的には「行ってみたい」と感じてもらったつもりでいましたが……。

まだ小学3年生だった長女。
わたしたちの勢いに押されてしまっただけなのか……。

素直に反省です。

元AC: kaho

次回、子どもたちが実際に経験したことを紹介します。
(子どもだけの小旅行 ・海外の女の子との文通など)

【2021.8.21追記】
『経験』を大切にする子育て | 子どもが実際に経験したことを紹介」をアップしました。

子育てにおすすめの本を知りたい方は、「おすすめ本 | 人生・家族・子育てに迷うときに読みたい本」を見てくださいね。